東京放射能オリンピック?

2012年に韓国に初めて来て以来、継続して頭を悩ませていることがある。それは、韓国国民の福島原発事故後の放射能に対する科学的根拠に基づかない過度な恐怖である。私が福島出身(正確には会津人であるが)というと、「大丈夫?(いろんな意味で)」と心配してくる。「えっ、私の地元の大気中にある放射線量よりもソウルの放射線量の方が高いんだけど」という当たり前の受け答えをしてもなかなか信じてもらえない。(下記リンクのデータ参照)

こういった、国民の持つエビデンスのない不安や心配に対して、しっかりと説明責任を果たして、誤解を解消するのは政府の役割でもあると思う。ただ、こと放射能の問題に関して韓国政府はそうではないようだ。下記の動画は、韓国政府の広報放送である。タイトルは「東京『放射能オリンピック』憂慮ではない現実!理由ある日本輸入食品の検査強化」とある。動画では、福島産の米を食べる安倍総理を持ち出して「安倍総理が好きで食べるのはいいが、問題はそれを人に勧めるということだ」といってのける。そして内部被ばくの可能性があるから、韓国政府は検査を強化するというのである。

こういった韓国政府の広報は3重の意味で悪質である。

科学的根拠に基づかない主張を

②放射能オリンピックという煽り立てるようなタイトルで書き

政府がこれを広めている

ということである。

これでは「日韓開戦」だとか、「日韓断行」だとかいう下劣な雑誌と対して変わりがないのではないか。先日ソウルで行われたある日本関係のシンポジウムで「放射能カードの悪用」に懸念を示した研究者がいた。難しいとは思うが、こういった合理的で冷静な意見を広めなければならない。私も福島県人として、きちんと伝えるべきことは伝えていければと思う。



8月15日の反安倍集会でオリンピックに反対する市民たち。

永井宏志郎事務所(Koshiro Nagai Office)

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