焼肉の歴史
韓国に来ると、プルコギやサムギョプサルなどを食べる機会も多いもの。そんな時、韓国人以外の他の諸外国の友人と肉をつついていると「ほら、日本には焼肉ってあるじゃん。あれ美味しいよね」と言われたりします。その時に、「なるほど、ちゃんと焼肉は違った料理として認識されているんだな」ということに気づくのです。
そんなわけで、今日は日本における焼肉の歴史を考えてみたいと思います。
端的にいうと、私の焼肉に関する認識はこうです。
「在日韓国・朝鮮人がホルモン焼きなど焼肉の原型をはじめ、それが日本で独自の進化を遂げて今の焼肉となった。」
戦後の貧困の中で、在日韓国・朝鮮人がホルモンなどあまり一般的に食されていなかった部位を含めて、売り出したものが食文化として広まったのだと考えます。ただ、「焼肉」というワードが定着したので1960年代以降と言われています。その背景にあるのが、朝鮮戦争であったということは意外に知られていません。朝鮮戦争を経て南北の分断が決定的となった中で、北と南どちらを支持するかで韓国料理と朝鮮料理という2つの呼称が生まれてしまいます。その対立を解消するための知恵として、韓国語(朝鮮語)の「プルコギ」を訳して「焼肉」としたと言われています。国家の分断を乗り越えるための知恵だった訳ですね。
そして、今やその焼肉はつけだれ文化など、日本独自の進化を遂げて今の焼肉となっている訳です。ラーメンやカレーが今や日本料理となっているように、焼肉も日本料理となったと言っていいと思います。ただ、そのほどよく脂ののったお肉を口に運ぶとき、少し焼肉の歴史に思いを馳せてみると、より深い味わいを感じられるかもしれません。
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